NHK「朝の随想」(NHK新潟放送局)

昭和40年から放送されているNHK新潟放送局制作「朝の随想」の原稿をご紹介いたします。平成18年4月〜9月までの期間、毎週月曜日に放送いただいた内容です。

放送第23回 組織をまとめる

物事を立ち上げるときと継続していく時に使うエネルギーは全く違うものがあります。一人の人間ががむしゃらになれば物事を立ち上げることができても、それを10年20年と長く続けていく場合は一人ではとても続けられるものではありません。継続していくためには組織力が大切になるのです。組織をまとめ、そして活かしていくためにエネルギーが必要になります。

しかし私は組織をまとめることが極めて下手でした。第一回の「町屋の人形さま巡り」が大成功したにもかかわらず、商人会のメンバーからは改善すべく意見が出され議論が巻き起こったのです。たとえば「期間が長く大変だったから期間を短くすべき」と言われたり、また「近代化した駅前商店街も参加させるべきだ」と言われたりしました。しかし私にすれば、期間が長いから経済効果も長く続き、タイムスリップした古い町屋でやるから話題になり喜ばれるんだ、と細部にわたり考え研究を重ねた上で作った企画でしたから、簡単に受け入れることができず、出てきた意見をことごとく拒否してしまいました。催しを良くしようと思って提案したメンバーにとって、面白くないのは当然なことでした。次第に「あいつは人の話を聞かない」と言われるようになり、村上町屋商人会は世間からせっかく注目され始めたのに、組織内部は突然ギクシャクし始めたのです。その翌年、第二回の「人形さま巡り」が輪をかけて大成功を納めました。世間から「商人会は凄いね」と絶賛される中で、組織内部はドロ沼の状態になっていました。いくら催しが成功しても心は苦しいばかりだったのです。「自分が組織を結成し、企画して、失敗すればともかく、ここまで成功しているのに、何でこんなことを言われなければならないのだ」と悩む日が続きました。皆の意見を取り入れて組織の和を重んじれば、円満に運ぶかもしれませんが、催し自体の魅力と価値は半減し、自分の主張を強くすれば不調和が起こる、難しいものです。全ては私のリーダーシップのなさで、独断を貫くあまり、腹を割った話し合いを怠ったことが原因であったと反省しています。

このようなことを経て、ようやく組織の歯車がかみ合いだしたのが、商人会ができて5年経った頃からでした。私もメンバーの気持を理解し、またメンバーも私の目指すものを理解し、ぶつかり続けながらも年月を経てお互い共通の価値観をもてるようになったからだと思います。雨降って地固まるではないですが、このようなことを経たからこそ今ではスクラムの硬い組織になったのだと思います。 振り返ってみれば、これまで苦労も多かったですが、他では味わえない感動や喜びも経験し、いろんなことを教えられ、また鍛えられもしました。今年で結成8年目になりますが、このような未熟な私に愛想を尽かさず、支え、共に歩んでくれた村上町屋商人会の仲間達に心より感謝しています。

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