NHK「朝の随想」(NHK新潟放送局)

昭和40年から放送されているNHK新潟放送局制作「朝の随想」の原稿をご紹介いたします。平成18年4月〜9月までの期間、毎週月曜日に放送いただいた内容です。

放送第18回 催し成功4つの鉄則

村上の大町商店街では露天の「骨董市」を行っています。6年前、骨董好きの私は、密かに村上で骨董市を開催したいと思っていたのですが、成功させる自信がありませんでした。「人形さま巡り」や「屏風まつり」のように長期間行う場合と違って、一日や二日の催しでは、いくらマスコミに取り上げてもらっても、報道された時には既に終わっているからです。マスコミの力が使えず、宣伝にお金をかけることもできず、考えあぐねていました。そんな時、群馬県の桐生市で骨董市の話を聞いたのです。「毎月、第一日曜日にやっているよ」と一言聞いた時、はっとひらめいたのです。「毎月、定期的に行えば毎回宣伝しなくても、一度知ったら来てくれる、よし、これだ」と確信したのでした。

一方、大町商店街の十輪寺には古い「えんま堂」があり、この中には2mもあり、400年にもなる大変立派なえんま様があります。長い間お祭りもされておらず、町内以外の人はほとんど知らない、閉ざされた存在だったのです。ささやかなお祭りの気持を込めて、骨董市に「十輪寺えんま堂の骨董市」と名付け、毎回ご開帳ができることになったのです。60本ののぼり旗が立ち並び、30店ほどの店が集まり、境内や駐車場、店舗の前で、古時計や瀬戸物、掛け軸など露天で並べて売り買いする光景は、普段の商店街とは全く違う顔に変わります。3月から10月までの第4日曜日に開催され、今年で6年目ですが、毎回賑わいを見せています。

この「骨董市」をはじめ「人形さま巡り」に「屏風まつり」、そして「竹灯籠まつり」と、これら村上で行っている催しはそれぞれ大勢の人を集めていますが、実はこれらには成功の4つの鉄則が盛り込まれているのです。まず第一は「非日常的」であることです。タイムスリップしたような町屋の中で、江戸や明治の人形や屏風を展示披露する「人形さま巡り」に「屏風まつり」、また5千本の幻想的な竹灯籠の灯りで小路を埋め尽くし、琴や三味線、尺八などの古典の音色を奏でる「竹灯籠まつり」なども、それぞれが日常にはない特殊なものです。非日常であるからこそ、感動があり、わざわざ行ってみようと思うわけです。第2はテーマ性がはっきりしているということです。抽象的なタイトルでは何をやるのかが分からず、行ってみたいというイメージが沸きません。「人形」「屏風」、「竹灯籠」「骨董市」などのように具体的なシンボルを掲げ、できるだけ分かりやすくその魅力を思い描けるように充分考えたタイトルを付け、テーマ性をはっきりさせるということです。第3が定期的に開催するということ。毎回変わっていてはいつまでも定着しないのです。そして第4が無料の催しであるということ。無料で魅力的な催しには、宣伝がなされれば人は必ず集まるのです。何気なく成功しているようにみえる村上のこれら4つの催しは、このような4つの鉄則に則って企画されているのです。

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